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年が明け適合判定委員も判明した後、質疑で問われている事項に対しての回答作業は続いた。
その結果、保有水平耐力については何度かやり取りをし、概ね理解してもらった。
ただ、確認をしておかないとひっくり返されると元も子もないので念のために電話を入れた。いつもながらの新たな9項目の質疑についても回答を終えていたので比較的気は楽だった。

「う・・・ん、まだちょっと問題はあるようなんですがね。」
「何が問題なんでしょうか?明確な指示もらえます?」
この言葉でまた不安な気持ちが襲ってきた。
「ちょっと上と替わります。」
ここまで引き延ばしておいて自分じゃあ決めきれないのかい?
上司の下井という男が電話口に出た。
「いいと思いますけど、念のために昼から判定員が来ますので確認します。夕方にでも電話入れますよ。」
その夕方、こちらから電話を入れてまあまあいいんじゃあないかという回答をもらったということだった。判定員は僕と話をするのがいやなようだ。

そして数日後別用事でその地へ飛んだときのことだった。
「今ね確認機関から電話が入ってあのねのね・・」とある設計事務所で打合せをしているときにオフィスから電話が入った。T女史からなのだが、状況があまり把握できないので直接機関の「毛ガニ」に連絡を入れることにした。至急との事だった。
「オガワさん、こちらに来ているのであれば判定員が昼から来るので来てもらえませんか。」
「今日は別の打合せがあるので昼からそちらへ出向くとしたら、全てのスケジュールを調整しないといけないんですけど。それに大きな問題点はカタがついたわけでしょ。『その他』の項目に書かれている9項目についてはすでに回答済みだからそちらで説明をしてもらうというわけにはいかないんですか?」
「全体の考え方を聞いておきたいということなんで来てもらわないと。」
「毛ガニ」は譲ろうとしない。
「下井さんと替わってもらえます。」
こいつじゃあ話にならない。茹でて足から食ってやりたい気になった。
下井が出てきたのでこう言った。
「確か、保有耐力についてはOKもらってますよね。仮にこれからそちらへ行くとしてもその話を蒸し返したりするようなことはないでしょうね。」
「それはないはずです。」
「じゃあ、今日で最終ということで確認下ろしてもらえますね。」
「判定員との話の結果でしょうね。」
「なんだか煮え切らないけど、じゃあ主とした話は残りの9項目になるんですよね。」
念を押した。
「その件については僕は知らないんですよ。直接担当じゃあないですからね。」
煮え切らないんだよな、こいつら。
「じゃあ、その言葉を信じて全てのスケジュールを調整して昼いちで行きます。」

午後一番にその確認審査機関に入った。
意匠設計事務所の担当者も同行してもらった。ただ直接担当をしている千原さんはどうしても動けないということで代わりの下原という男がやってきた。
判定員と向き合った。そこで開口一番彼はこう言ったのだ。
「われわれは偽装をさせないようにいわば『重箱の隅をつつく』のが仕事だ。しかも二人がかりでね。設計者のあなたは一人でこれに対抗しなければならない。大変だけど頑張ってもらうしかないよ。こういった建物は半年かかると思っておいた方がいいね。意匠の人もそう覚悟しておいてくださいね。」
適合判定の本来の役割は、設計の妥当性を客観的に判断をすることであるのと同時に、もうひとつ大きな役割がある。審査を速やかに行い工事を一日も早く進めることにある。ひいてはそれが施主の夢をかなえることであり、憲法に定めるところの「国民の財産を守る」ことになるからである。
それを、「重箱の隅をつつく」とはなに考えてるの?
いやな予感がしてきた。
こういうときの勘は残念ながらよく当たる。

まずは「毛ガニ」が司会を取り仕切る。
「本日はお忙しいところ・・・問題点をこれから述べます。まずは保有耐力の件についてなのですが、今の段階では問題があるので、」
「ちょっと待った!もうその話は終わってたんじゃあないですか?先ほどの電話ではそういうことだったと思うのですが。」
「オガワさんがこちらに来てからお伝えしようと思っていたのですが・・」
あのね、それじゃあまた元の木阿弥ってやつになっちまうんじゃあないの?
そして判定員の戸口が口を開いた。

「これじゃあだめだ。別に解析やってもらわないと。」
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もう少し細かい流れを書くと、1項目の質疑を返したあとに10月に入って5項目の質疑が来る。これを返すと今度は18項目の質疑が返ってきた。このあたりで若干頭にきてはいたのだが我慢して返すことにした。そして11月に入ってからは31項目(もちろんしぶしぶ認めて終わったものもあるにはあるが、だ)が返ってきた。
12月に入ると、保有水平耐力についての「関連質疑」というものがその項目ごとにくっついて枝のように分かれてメールでやってくる。返しても返してもきりがなくなってきた。
なぜこういう具合になるかというのはおおよその想像がつく。
質疑を作っているうちに他の同僚や時折やってくる適合判定員などが知恵をつけるのである。他の物件ではこういう質疑出してるけどそっちはどうなんだ?ってね。

以前別の適合判定であったことなのだが、鉄骨の物件で今まで出されたであろう質疑を全てそっくりそのまま書いてきた男がいた。
「ブレースについての安全性は?」ブレースの架構ではない建物なのにこういう質疑を送ってくる。
「これはブレース架構ではない」と回答すると、「問題なければそれでよし」なぞとわけのわからない文章で終わっているわけで、禅問答じゃあないっての。まあ、ことほど左様にわかっていないのが審査するとこういった「時間つぶし」をされる場合がある。

今回はそれに加えて、自信がないものだから「出典があれば提出してください」とくる。飛躍しすぎているような考え方であればそういう風にいわれても仕方は無いけれど、経験則として掲げられてきているようなものまで全てにわたってこう返してこられると所謂「堪忍袋の緒が切れる」ことになる。
で、受話器を握り締めて「毛ガニ」のヤロウに電話をかける。
「そう言われても・・・・どこかにそういうこと書いてあるならばいいですけど。」
出典をすぐに送ると、「私だけではちょっと判断できないので判定員が来たときに確認します。」
判定員?適合判定には回っているのか?このあたりも流れが不明で、担当者が即断で決められないようなシステムになっているの?
もう乗り込むしかないのか?

「オガワさん、構造の方はどうなってるんだ?まだ終わらないの?」
担当の設計事務所の千原氏から電話が入る。
「直接話をしたほうがいいですね。中旬頃(12月)に一度行きますよ。年末には終わらせたいんでね。」
飛行機で現地に飛んだのだが、タイミングが悪いことに風邪を拗らせてしまった。
どうしても動けなくなってしまったので「毛ガニ」に電話を入れた。
「特に来られなくてもメールで送ってください。メールでいいです。」
てめぇが煮え切らないからここまでわざわざ来たのにそれはないだろ!足もぎ取って喰っちまうぞ、てめぇぇぇ・・・・ますます熱が出てきた。

閑話休題。

年が明けた。
担当の適合判定員もわかった。
周りからは、「一度電話入れておいたほうがいいんじゃない?挨拶を兼ねてね」
などと言われ、それもそうだとできる限り腰を低くしながら電話を入れた。
「オガワさん、よくあんな建物引き受けたねぇ。ルート3(これ数学でいうところの√ではなく、設計のフローのことね)でできるわけが無い。壁をいっぱい入れてもらってルート2以下で行かないとダメだよ。僕なら絶対引き受けないよ。」
アタマから否定するような言い方をするこの戸口という適合判定員、実は僕のよく知っている男だった。

〈お断り〉
このブログについては、ある人、機関のことを特定しているわけではなく、内容に関しては僕以外は全て実在の人物ではないということをお断りしておきます。
大阪梅田のMBSに近い美容室には月に一度通っている。今月は23日の予約だったのだが、神戸がこういう状況なので電話で行っても良いかどうかを確認してから出かけた。
いろんなところで神経を使わなくてはならない。
この美容室はマンションの中にあるので、まずは玄関前のセキュリティーでインフルエンザにかかってないかのチェックを行いやっとのことで許可を受けて中へ入る。
マスクを再び装着してエレベーターに乗る。
13階に上がり店の前に来たときにこういう注意書きが壁に貼り付けてあった。
「マスク等などで顔を覆ったような不審者は直ちに通報します。」
日曜の夜、テレビでは相変わらずインフルエンザのニュースがトップになっていた。
三宮のお店の窮状をテレビ局が調査している、というような内容だ。
中華料理店でも有名とされている「本館牡丹園」が出てきており、売り上げが落ちたと嘆いている担当者の顔が映し出されていた。(美味しいのは「別館牡丹園」だと僕は昔から思っているのだが)
その中で「カラオケボックス」が予想通り出てきた。顔にモザイクを掛けられた高校生だという女の子がこういう風に言った。
「しなへんみたいやから(=死なないようだから)」
つまり死に至るような重い症状が出ないインフルエンザだから大丈夫だと思ってカラオケ屋に来た、と、そういうことを言いたかったのだろう。
バカである。
こういう風に考えるヤツラにちゃんとなぜ外へ出るのがダメなのかを、学校の先生や親が教えなくて何が教育なんだって、そう思うんだけどね。そういうことも教えられない彼らもバカだ。
こういう連中が週明けからぞろぞろ出てきて電車に乗ったりバスに乗ったりすることで、もし伝染性が強力な菌であったとしたら今週で感染範囲は爆発的に広がるだろうと思っている。
で、そういうこともきちんと伝えられなかったフジテレビの「サキヨミ」という番組は「報道番組」ではなく「バラエティー番組」だということにやっと気がついた。
先日から書き始めている「仁義なき戦い(建築構造編)」についてはタイトルが結構地味なので変えようと思っている。(どんな決ってはいませんが)
そして、え?これってどこの話?もっと詳しく教えてくれ、などというリクエストもいただいたのだが、これについては次のようなお断りテロップを添えておくことにする。

「このブログについては、ある人、機関のことを特定しているわけではなく、内容に関しては僕以外は全て実在の人物ではないということをお断りしておきます。」

じゃあ、やっぱり本当のことじゃん?なんてことは、読む方の自由です。



ここから 「仁義なき戦い(建築構造編)その3」(※新しいタイトルはまだです)



確認申請を出してから約3ヶ月ほど経過した時点で、こちらから連絡をし、その機関まで出かけたにもかかわらず書類の印刷状況が悪いだのボケてよく見えないだのと「毛ガニ」のような審査係(補助担当員)から文句を言われたのでとりあえずはそこで一度引き下がってその書類を差し替えた。
しばらくしてからメールで質疑が送られてきたので確認をしたところ、
「屋根材の吹き上げに対する検討が行われておりません。」
この1項目のみ記されてあった。
確認申請という手続をする場合、構造審査に関しての流れは概ねこういうことになっている。
まず確認申請機関で書類をチェックする。構造図と構造計算書の符号や柱や梁などの大きさに食い違いが無いかどうかをチェックする、つまり「不整合」と言うものが無いかどうかを審査係(補助員をふくんで)という人間がしらみつぶしにチェックするわけだ。一昨年の6月に建築基準法というものの改正が施行された当時は、ひとつでも不整合があれば確認申請の出し直しを余儀なくされていたのだが、今はそういったおバカな手続はさすがに緩和されている。チェックの結果訂正を行いその「不整合」がほぼ解消された時点で次は建築主事が適合判定機関に「適合判定」を依頼するという手続を取る。こんどは電算解析などについての妥当性を構造設計の経験豊かな「適合判定員」が例えば電算入力をする際の建物のモデル化などに問題がないかどうかの妥当性を検査するという手続を取ることになっている。
一般的には「確認機関での不整合の審査」→「適合判定」→問題なければそれでおしまい、という流れになっている。
ふぅ、こうやって書いて説明すると結構面倒なもんだ。

そういうことで、僕としてはこのたった1項目だけという審査にしては珍しいくらいの時間がかかった割には質疑の少なさにうんざりしながら回答を作って、そして念のためにこう書き足してメールを担当のマナベというその毛ガニ男に送った。
「念のためですが質疑はこれだけでしょうか。他に質疑が無いものとして考えておきますので御了解ください。」
それから1ヵ月後(つまり10月頃)にまた質疑が今度は5項目ほど書かれて送られてきた。
「一番厄介なのはあの確認審査機関だよ。あとからあとから質疑出してくるんだよね。あそこに出したらいつ確認下りるかわかんないよね。え?あそこに出してるの?そりゃあたいへんだぁ!」
「あ~、あそこね。まだつぶれてなかったんですね。え?私も出したことありますけどもうこりごり。」
あとでいろんなところから聞いた話がそれだった。

予想通り質疑はもう無いだろうね、という僕の毎回の追記は全く無視したかのように11月、12月も次から次へと新たな質疑が送られてくるようになった。
わかりきったことやもうどうでもいいんじゃあないの?っていうようなことなども含めてマナベの質疑はエスカレートしてきた。
そしてこの問題は年を越してしまうのだが、年を越え適合判定にかかるようになってから問題は大きくなっていった。

確認申請に必要なのがいわゆる設計図書というもので、構造設計の場合は「構造計算書」と「構造図」が要求される。
僕がオフィスでカンヅメになるのは、この設計図書を締め切りに間に合わせなければならないからで、概ね着工予定日から逆算して確認申請の手続きをする日時が決る。それに合わせてそういった書類を揃えるために徹夜になったりするわけだ。
ヘロヘロになって書類を提出し、そして確認申請に出した計算書や図面に対する行政もしくは確認審査機関からの質疑を待つことになる。

提出したのが去年の6月。
設計事務所にもいっこうに審査機関から質疑の連絡がないのを気にしながら、3ヶ月ほど経ったある日連絡をしてみた。
「まだなんにも連絡無いんだよ。ひょっとしたら質疑ないんじゃない?着工予定より早くなりそうだね。」
「じゃあ来週そちらへ行きますので、それまでに質疑なければ審査機関まで一緒に行ってみましょうか。無ければ無いですぐに手続してもらえばいいでしょうしね。」
2階にある構造判定部の扉を開け、担当している審査係を紹介してもらい状況を念のために聞いた。
「あ・・その物件ですね?そうそう、印刷の状況が悪くて見ずらいんですよね。差し替えてもらえますかぁ?」
「ん?印刷が悪い?・・・ま、それは差し替えるとして・・で、質疑は?」
「それから見ますので」
3ヶ月も経っており、神戸からは飛行機でないと行けない場所にあるその判定部に出向いた結果、プリントアウトの状況が悪いので差し替えてくれだと?まだ内容は見てないって?
目の前にいる毛ガニのような男を張り倒してやろうかと一瞬思ってしまった。
考えただけで決して行動にはおこさなかったが、このことが昨日書いた判定員への伏線となっていたので、実行しておけばよかったと今さらながら後悔している。

一気に書いてしまうと、精神衛生上よくないのでこの続きは明日に。気が向けばだけどね。

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